「バッカスの囁き」175㎝×205㎝ パネル 油彩 2018 第92回 国展 国立新美術館 5月3日▷15日
若者を取り巻く現代の誘惑の危うさがテーマである。画面にも登場する私の好きなカラヴァッジオ作品「バッカス」も発想の一端となった。青を基調とした画面の中に、夜景、人物、山形名産のアケビやブドウ、庭の青バラなどを配置し、遠近法も考慮して臨場感を出すよう努めた。画面下方は危うさをイメージして色彩を抑えた。。モデルは次男。
「はな葡萄」80.3㎝×60.6㎝ キャンバス 油彩
モチーフを手前にもう一つ配置して描く手法の作品。手前のモチーフが一段と浮き立つ効果を得られることもある。奥のバラの花の塊は球体になるようそれぞれの花の陰影を調整した。葡萄の蔓の先端をその生命力の一表情として描き加えた。友人の葡萄園から無理を言って頂戴してきた。
「赤く咲く」60.6㎝×50.0㎝ キャンバス 油彩
数種類の赤バラを花瓶に挿して描いたが、鮮やかにしかも明るく描くのは他の色と比べると難しい。透過光の部分は特に。手前に大きく描いた二輪は実際に大輪の鮮やかな紅色の花で、赤バラとしてモチーフになる頻度が多い。だが、植えて20年ほど経った株で、品種名は分からなくなってしまった。
「川霧の朝」60.6㎝×545.5㎝ キャンバス 油彩
大石田町今宿の朝焼けである。金山平三の兵庫県立美術館 金山平三記念室にある代表作「大石田の最上川」と同じ場所からの眺めである。川面の描き方は難しく私の大きなテーマである。試行錯誤を繰り返すしかない。
「萌黄のバラ」 53.0㎝×45.5㎝ キャンバス 油彩
「出勤前」 50.0㎝×60.6㎝ キャンバス 油彩
たまには人物も描きたくなる。手前のバラがワザとらしくなってしまった
「三窓の月」 53.0㎝×45.5 キャンバス 油彩
安直だが、ブルームーンという品種の青バラと月をかけて作品にした。三つの矩形が現れるようにした地塗りを三様の窓(人の心の相の変化)に見立た。古来から心の移ろいを月影に映しては、もの思いに耽るのが人の常らしい。